メキシコ大統領、教会の先住民迫害関与で教皇に謝罪要求
AFPBB News / 2020年10月11日 14時50分
メキシコ市内の国立宮殿で、2014年に行方不明になった学生43人の親族と面会するアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール大統領(2020年9月26日撮影、資料写真)。(c)RODRIGO ARANGUA / AFP
【AFP=時事】メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領は10日、500年前の旧宗主国スペインによる侵略でローマ・カトリック教会が先住民迫害に関与したことを謝罪するよう、フランシスコ教皇(Pope Francis)に書簡で求めたことを明らかにした。
ロペスオブラドール氏は教皇への書簡をソーシャルメディアで公表し、スペイン人コンキスタドール(征服者)が1521年にメキシコに到達した後の「最も非難されるべき残虐行為」について、スペイン国王と同国政府、バチカンのカトリック教会は謝罪すべきだと述べた。その上で、スペインと教会は「われわれから寛容な態度を受けるのに値するが、それだけではなく、彼らの信仰や文化を冒涜(ぼうとく)する行為を二度としないと誠実に公約してしかるべきだ」と強調した。
ロペスオブラドール氏は昨年も、スペイン国王フェリペ6世(King Felipe VI)とフランシスコ教皇に書簡を送って似た内容の要請を行ったものの、スペイン政府は謝罪を断固拒否する姿勢を示した。ロペスオブラドール氏は、欧州人が南北アメリカ大陸に到達してから2021年で500年を迎えるのを前に、改めて謝罪を求めた。
カトリック教会はスペインが南北アメリカ大陸に入植し領土を拡張した際に、先住民をキリスト教に改宗させることを使命に掲げ、重要な役割を果たした。スペインなどが中南米を征服した時代に教会が先住民迫害に関与したことをめぐっては、ローマ教皇が2015年にボリビアに謝罪したことがある。
【翻訳編集】AFPBB News
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